85歳からが本当の老年期
私が結婚した時、この家には義理父のお母さんがまだいらっしゃいました。
おおばあさんとみんなが呼んでいました。
おおばあさんは、99歳で亡くなりました。その時私は同居をしていましたので、おおばあさんは穏やかにいつも南側の部屋で椅子に座って外を眺めていたことを覚えていますし、うちの子たちのこともよく気にかけてくださっていました。
晩年は、骨折や、体調不良で、施設に入所退所したりもしましたが、最期はお家で過ごしました。
結婚した当初、なかなか厳しいおおばあさんでしたが、85歳を過ぎたころ、急に静かに過ごされることが多かった気がします。きつい口調もなくなりましたし、耳が少し遠かったからというのもあるんでしょうけど、テレビの音も静かでしたし、おしゃべりも、聞いていることが多くなっていた気がします。
今一緒に住んでいる義理母。86歳です。まだ車の運転もしていますし、お友達も多く、いつも携帯で大きな声でおしゃべりをしていますし、耳が遠くなったとか、目が見えずらいとかそういったことはありません。
股関節の手術はしましたが、そちらは問題なく、今は膝が痛いからと、歩くスピードは遅くなりました。それでも、畑仕事などは少しづつやっています。
義理母はおしゃれですし、若々しい。でもやはり、体のあちこちが色々と痛かったり不安だったり。大きな病気は無くてもこの一、二年、年を取ったなあという風に思うことが多くなりました。
そろそろいろいろなことに気を付けて見て行かなくてはいけないのかなという思いがしてきました。介護を家族でという感覚は今は少ないのかなと思いますが、それは我が家のような、どちらかというと、金銭的に恵まれた老人の場合だと思われます。義理父は特養に入って、最初は義理母もたくさんの思いがあっただろうし、私にも愚痴を言ったりしていましたが、今では「おじいさんはもう、安心だから。」というようになりました。義理父は家に帰りたくないと言っています。その気持ちは、私にはわかる気がします。
あと、25年で自分もそんな年になります。収入は少ないし、その時は今とはまた違って、どうなっているのかわからないけど、少しづつ考えて行った方がいいのかなという気持ちになります。
義理父、義理母と同居できたことで自分の老年期について考えることが身近なことになるのは、とてもありがたいことと思っています。そうだなあ、何の病気にも交通事故にあったりもせず、85歳まで生きられるかな。生きることについてそこまで深く考えることはあまりないけれど、頭の隅に置いて生活したいなあと最近は思うわけです。
だから目先の夫の仕事(転職するかも)問題なんて、小さなことなんだなあ・・・。←気持ちは老年期よ。これ以上収入が減らなければそれでいいかな・・・。これからの目標はおおらかにすごす、それに尽きるかななどと思っています。